どうも、ビルメンひとりです。
以前の記事でビルメンが知るべきポンプの知識を書いた。
参考記事
ポンプの専門業者になるなら知識不足だけど、ビルメンになるならこれ位覚えておけば仕事で困る事はないと思う。
(これ位の知識すらないビルメンも多いし。。。)
ただ、プラスアルファの知識として、ポンプの吐出不良について知っておくと以外に役に立つ事が多い。
なぜなら、吐出不良のトラブルはビルメンで解決できる事も多いからだ。
なので、今回は吐出不良について、圧力が上がらない場合と上がりすぎる場合の原因を、僕が知っている限りで書きたいと思う。
吐出不良の原因はエア噛みとキャビテーション
ポンプの吐出不良とは、何らかの原因で圧力が上がらず、適切な流量が出ない事だ。
ポンプは吐出不良を起こすと圧力計の指針が大きくぶれて、ポンプのインペラ部から空気の通水音がするからすぐに分かる。
そして、吐出不良の主な原因は、大体エア噛みとキャビテーションの2つだ。
エア噛みは吸込側配管の接手から空気が入る事で、空気が入ると配管内が水で満たされなくなって吐出不良を起こす。
キャビテーションは、吸込と吐出の圧力差によって管内の水が蒸発し、気体(蒸気)が発生して吐出不良を起こす事だ。
そして、この2つの原因も起こりやすい原因と対処法があるから、これからそれを説明したいと思う。
エア噛みが起きる主な原因と対処法
エア噛みが起きるパターンは、大きく分けて2つある。
一つは吸込み配管からのエア混入で、もう一つがポンプの水張り時のエア抜き不足だ。
以下それぞれ仕組みと対処法を説明する。
吸込み配管からのエア混入
これは言葉の通りで、空気が吸込み配管のフランジやストレーナーから入る事だ。
膨張タンクがない限り、吸込み側は負圧になりやすい。
だから、継手のボルトが緩んで隙間ができるとエアが混入してしまう。
(逆に吐出側は大気圧以上だからエアは混入しにくい)
なので、吸込み配管のエア噛みが疑われる場合は、吸込み側にあるフランジやストレーナーのボルトを増し締めすると直る事が多い。
ポンプ水張り時のエア抜き不足
これも良くある話で、ポンプの整備直後に起こるエア噛みは大体これが原因だ。
ポンプを整備する時にはポンプとその付近の水を抜く必要がある。
そうしないと、ポンプの分解ができないからだ。
そして、水を抜いたままだとポンプは運転できないから整備後に水を張るんだけど、それと同時に配管内のエア抜きをして空気を抜く。
そのエア抜きが不足すると、配管内にエアが残って吐出不良になってしまうのだ。
これの対策は簡単で、エア抜き弁を開けてエアが抜けばいいだけだ。
ただ、一度エア噛みを起こすと、その後エア抜きしても抜け切るまでに時間がかかる事が多い。
僕の経験だとエアが抜け切るのに2日以上かかった事もあるくらいだ。
そう考えると、対策は簡単だけど結構面倒くさいトラブルだなと思う。
キャビテーションの主な原因と対処法
先ほど話した通りキャビテーションとは、吸込みと吐出の圧力差により気体(蒸気)が発生する事だ。
吸込み側の圧力が下がると蒸発温度が下がる為、水の一部が蒸発してしまう。
そうすると、配管内に気体が入って水で満たされなくなり、ポンプは吐出不良を起こしてしまうのだ。
で、ポンプでキャビテーションが起きる主な原因は2つで、吸込み側のストレーナが詰まっているか、水温が高くなりすぎているかのどちらかだ。
以下それぞれについて説明する。
ストレーナーの詰まり
何らかの原因で吸込み配管の流量が減ると、吸込み側の圧力が減少するから蒸発温度が下がって気体が発生する。
そして、吸込み側の流量が減る一番の原因はストレーナの詰まりだ。
ポンプがキャビテーションを起こした場合、9割以上がこの原因だと思う。
だから、ストレーナーの網さえ清掃すれば、キャビテーションは大体解決する。
あとこれは補足だけど、ストレーナーに差圧計がある場合は、差圧計を見る事でストレーナーの詰まりを確認するのも手だ。
差圧計の数値がいつもより高ければ、ストレーナーの詰まりである可能性が高いから清掃すれば吐出不良は治ると思う。
水温の上昇
キャビテーションの原因はほぼストレーナーの詰まりだけど、高温水が流れるポンプの場合は別の原因も考えられる。
その原因とはポンプの水温が高すぎる事だ。
先ほども話した通り、キャビテーションは水が蒸発する事で発生する。
だから、吸込み圧力が変わらなくても水温が上がれば、水が蒸発してキャビテーションが発生するのだ。
だけど実際問題、ポンプの水温が上がりすぎる事はほとんどなくて、このキャビテーションはかなりレアな事例なんだけど、僕は経験があるからその事例を紹介する。
茶色の部分にドレントラップがあるけど、これは蒸気配管のドレンが一定以上に溜まったら自動的にタンクへ返送する部品だ。
で、そのトラブルが起きた時はこのドレントラップが壊れて、ボイラーの蒸気がそのままタンクへ流れ込んでしまったのだ。
その現場の蒸気温度は180℃近くあったから、当然タンク内の水温は無茶苦茶上昇する。
だから、普段の水温は75℃くらいだったのに、その時は95℃くらいになってしまっていた。
そして、ポンプはその高い温度の水を吸い込んだ為、キャビテーションを起こして吐出不良になってしまった。
その時は軟水装置で水温を下げつつ、蒸気漏れしたトラップ配管の元弁を閉めて事なきを得たけど、最悪ポンプが壊れる可能性があって危機一髪だった。
こう言った事もあるので、ボイラーがある現場で働くビルメンはこの知識を持っとくといいかもしれない。
まとめ
今回はビルメンが知るべき吐出不良の知識を書いた。
分かりやすく書こうと頑張ったけど、読みずらい文章で申し訳ない。
自分の頭でわかっている事でも、言葉にするのは結構難しいみたいだ。
もし、分かりにくい場所があったらコメントや質問箱で教えて欲しい。
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