ポンプのシール方式について説明する

2022年12月21日水曜日

ビルメンのこと

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どうも、ビルメンひとりです。

今回はポンプのシール方式について説明する。

前回ポンプの基礎知識を記事にしたんだけど、シール方式の説明が長くなったから別記事にしてみた。

前回記事

上の記事では、シール方式について注意すべき事だけを書いたけど、この記事では2つのシール方式の仕組みやメリットデメリットを書いてく。

前置きが長くなったから、さっそく始めていこう。

シールの役割

シールとは隙間を埋めて水漏れをなくす事だ。

そして、ポンプのシールはインペラ部と軸受部の間にある、グランド部の隙間を埋める事だ。

インペラ部分には水が入っているから、シールをしないとどんどん水が漏れてきてしまう。

そうすると、無駄な水道代がかかるし、ポンプの吐出不良を起こす可能性もある。

なので、グランド部にシールをする事で、これらの不具合を解消するのがシールの役割だ。

2つのシール方法の仕組み

ポンプのシール方法には2つのやり方がある。

一つはグランドパッキン方式で、もう一つはメカニカルシール方式だ。

それぞれメリット・デメリットがあるんだけど、最近はメカニカルシール方式が主流になりつつある。

ここでは2つの方式の仕組みをそれぞれ説明する。

グランドパッキン方式

仕組み

グランドパッキン方式は、下の画像のように軸にグランドパッキンを巻き付けてシールする。

グランド式のポンプは、下の画像の様にボルトが2つ付いてるからすぐに分かる。


グランド方式の特徴は、何と言ってもグランド部から水が漏れる事だと思う。

やろうと思えば水漏れをなくす事は出来るけど、あえてグランド部から水漏れをさせている。

普通に考えれば、水漏れを防ぐ為にシールしてるのにおかしいと思うけど、それには理由がある。

その理由は、水漏れがないとグランドパッキンが焼け付いてしまうからだ。

ポンプの軸は高速回転するから、そのままだとパッキンが摩擦によって焼けてしまう。

だから、あえて水漏れをさせる事でパッキンの冷却や潤滑を行っているのだ

もちろん、シールする為にパッキンを使っているから大量に漏れている場合は問題がある。

漏れ量の基準だけど、大体1~2秒に1滴くらいが最適だ。

この様にグランド式は、漏れは多すぎても少なすぎても良くないけど、多少多めに漏れてても実際の運用には問題ないから、漏れが止まってなければ何とかなる事も多い。

グランド式のメリットは、コストが安い事だ。

仕組みが簡単だからポンプ自体が安いし、メンテナンスもパッキンを交換するだけだから業者要らずでお金がかからない。

ただ、ビルメンからすると自前で作業させられるから、そう言う点では面倒くさい。

逆にデメリットは、日々のメンテナンスが必要になる事だ。

例えば、グランド部の漏れを随時調整する必要があるし、メカに比べてパッキンの交換頻度も多い。

あと、少量とは言え水が漏れるから無駄な水道代がかかってしまうのもネックになる。

以上がグランド式の概要だけど、仕組みが簡単でコストが安い方法だと思っておけば間違いない。

漏れ量の調整方法

グランド式は簡単に漏れ量を調整する事が出来る。

構造としては、軸に巻き付けたグランドパッキンをボルトで押さえつけているだけだから、ボルトを調節する事で漏れ量を調節できるのだ。

実際には上の画像の様にモンキーかスパナでボルトを少しずつ調節するのだけど、ボルトを締めると漏れ量が少なくなり、逆に緩めると漏れ量が多くなる

注意点としては、両方のボルトを均等に締める事で、片方ばかり締めすぎるとポンプの軸に悪影響がある。

もし分からなければ、最初の内は先輩に見てもらった方がいいかもしれない。

メカニカルシール方式

仕組み

メカニカルシール方式は下の画像の様に軸にメカニカルシールと言う部品を付けてシールする方法だ。
軸が回転しても動かない固定環と軸と一緒に動く回転環の間に水の膜を作る事で、水漏れを起こさない様にしているらしい。

らしいと書いたのは、僕自身がメカニカルシールの構造に詳しくなくて、ネット記事の説明をそのまま流用したからだ。

ソース記事
メカニカルシール特集 読んで納得!メカニカルシールがエコな理由

後で触れるけど、メカニカルシールはメンテナンスフリーだから、ビルメンだとあんまり知識が身に付かないのだ。

だから、ここではビルメンが知るべき事に絞って書いていく。

メカのポンプは下の写真の様にボルトがないグランド部になっているから見れば一発で分かる。

そして、メカニカルシール方式の特徴としては、漏れが全く発生しない事だ。

グランド式とは逆で、漏れない状態が正常となる。

よって、グランド式みたいに流量を調節する必要もないし、ビルメンが部品を交換する事もない。

やる事はグランド部の漏れ確認くらいだから、メンテナンスフリーでビルメンからすると無茶苦茶楽だと言えよう。

そんな素晴らしいメカニカルシール方式だけど、もちろんデメリットもある。

それはコストが高い事と自前で修理が出来ない事だ。

メカニカルシールは精密機器だからメカ式のポンプはグランド式よりも高く。

それにメカニカルシールは業者じゃないと交換できないから、メンテナンスコストも高くなる。

さらに問題なのが、早急な修理がやりにくい事だ。

メカニカルシールは一度漏れ始めるとすぐに漏れ量が増えるので、漏れ始めたらすぐに交換する必要がある。

グランド式ならパッキンを買ってきて自前で交換すればいいけど、メカは業者じゃないと交換できないから修理までに時間がかかる。

また、メカの交換費用は結構高いから、オーナーさんは工事を渋ったりしてさらに遅れたりする事も多い。

そうなると、対応が遅れて漏れ量が多くなり、最悪ポンプが使えなくなったりするのだ。

これは以前いた現場の話だけど、メカが漏れ出したからオーナーに交換をお願いしたけど、オーナーが費用を渋って工事が遅れた結果、漏れ量が多すぎてポンプが使えなくなった事がる。

この様にメカ式は普段はメンテナンスフリーで楽だけど、漏れ始めると大変なのがネックだ。

まとめ

今回はポンプのシール方式についてまとめてみた。

偉そうに説明するとか言ってるけど、メカニカルシールに関しては知らない事ばかりで無茶苦茶勉強になった。

そう考えると、この記事が一番参考になった人は僕自身なのかもしれない。

もし、記事の記載で間違っている事があったら教えてくれると助かります。

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ぎりぎり昭和生まれの独身男 社会人になってから25社以上の転職を繰り返して、現在は底辺ビルメンに落ち着いた 発達障害持ちで生まれてから彼女が出来た事がない真正童貞 このブログではそんな底辺男の日常を綴っていくつもり

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